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日記

初めて1,200円の散髪屋QBハウスに行ってきた。

一昨日、カットのみ税込み1,200円の散髪屋、QBハウスにいってきた。激安系の散髪屋は浜松のような田舎にも複数あるのだが、その中でもQBハウスを選んだ。QBは短時間で客のニーズを満たすカットのノウハウを社員に共有していて、質が高いとの記事を雑誌化か何かで読み、興味を持ったからだ。

QBハウスに行ったのは今回が初めてだが、激安系の散髪屋に行ったのは初めてではない。今から約10年前、静岡市に住んでいた頃にカット料金1,000円の散髪屋に行った。新静岡駅の正面出口から出てまっすぐ進んだ先の、一番人通りの多い交差点をほぼ真上から見下ろせる位置にその散髪屋はあった。今もまだ残っているのかわからないが、当時は今のように激安系が乱立しているわけではなかったので、私の中で注目度が日に日に上昇し、試しに会社帰りに寄ってみた。

店内に入るとすぐに白衣のような制服を着た金髪の若者が目に入った。いかにもガラが悪そうで、経験もなさそうに見えた。混んでいなかったので、そのまま店内の奥に通された。椅子に座らされて、鏡を見るとその金髪のにーちゃんが立っていた。研修中なのか、年季の入ったおっさんが隣に付き添っていたが、不安しかなかった。

どんなふうに切るか聞かれたので、耳が出るくらいで、全体的に同じくらい短くしてくれと頼んだ。まだ散髪の仕事になれていないようで、時間はかかっていたし仕上がりもあまりも良くなかった。やっぱり安いのには理由があるんだなあと感じたのを覚えている。

そんな経験があったので、今回はそれなりに質も担保されている(らしい)店舗を選んだ。

平日の昼だったがそれなりに混んでいたが、ちょうど自分が入ったときに前の客が出てきたようで、券売機でチケットを買ったらすぐに席につくことできた。ふわっとしたパーマのかかった30歳前後の男性が担当してくれるようだ。余計な世間話はなく、どれくらい短くしたいのか聞かれ耳が出るくらいにと答えた。次に、前髪は眉毛が出てもいいくらいまできるか聞かれて、問題ないと答えた。

そしてすぐにカットが始まった。手際よく淡々と髪を切り、わずか10分程度で完了した。仕上がりは今まで通っていた一般的な理髪店と、ほとんど変わらなかった。特にこだわりがないので、おそらくどこで切っても大方満足してしまうだろうが、金額的には1/3以下で早くいのならここで十分だと感じた。

切り終わったあとの髪は、掃除機のようなもので吸い上げていた。吸い込む風を利用して、なんとなく髪型をスタイリングしていて、一石二鳥とはこういうことなんだろうなと思った。これならドライヤーは不要だ。もちろんシャンプーもしないので乾かす必要もない。

最後に顔を拭くようにおしぼりをもらって、すべて完了した。散髪サービスとしては申し分ない。おそらく次もいくだろう。

ただ、気がかりだったのは従業員のキャリアパスだ。無職なのに他人の心配をする場合ではないのかもしれないが、彼らはこの職場を経て独立することやキャリアップしていくことが可能なのか散髪してもらいながら考えていた。

一般的な散髪を職業にする人のキャリアアップはこんな感じだと思う。まずは、誰かが経営してる散髪屋で経験を積み、ある程度の手応え、常連客、資金を蓄えて自分の店を持つ。

QBハウスは前述したとおり、安さと早さとそれなりの質を売りにしている。ここで働くことによって、手早くそれでいてそつなく散髪できるスキルは身につくだろう。しかし、個人レベルで商売が成り立つ単価の高い一般的な散髪スタイルをその中で学べるかは疑問だ。

業界の人間ではないので実際のところはわからないがサービススタイルが違うので、そういった高単価の過剰サービスで利益を上げる手法は学べるのかわからないが難しそうだ。少なくとも一日にカットをする人数は一般的な散髪屋よりもずっと多く、数は力なりで経験を積むことが大事という見方もできるかもしれない。それでも、まるで別分野の高単価サービスのノウハウは掴めそうにない。

資本があってシステムが確立されたQBハウスのようなチェーン店を競合とする、短時間で安価なサービスを売りに個人で独立することも現実的ではない。

従業員はQBの次があるのだろうか。それともQBの給料は一般的な美容室よりもよく、辞める必要がないのだろうか。そうでなければ、独立するすべを従業員に持たせることなく、QBで働かせ続けることができる。会社側にとっては良いことであるが、彼らの未来は暗いままのように見える。サラリーマン的な働き方で良く、それなりの収入ならば、余計な客からのクレームも少なく、規則作られた環境で働くことは良いことだと考えられるのかもしれない。

ま、関係ないんだけどね。

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