Zico39のいろいろ

Just another life

日記

憧れのブロガーは今。

少し前にこのブログで書いたかもしれないが、私にはある種のあこがれを抱いているブロガーがいた。

彼の文章は特に光るものもなかったし、彼自身の切り口で書かれた新しい発想もなければ、無理をして自分なりの文章のスタイルを確立させようとしているきらいがあったりとで、読みたいと思えるものではなかった。ただ、そんな彼でも、曰く日常とちょっとしたコラム的なブログの収入とその実績から得た仕事で生活ができているようだった。

会社をやめてなんとか生きていく方法を模索していたときに、これでなんとかなるなら、自分でもできるのでは、と彼のブログを見て思った。

実際のところ会社を辞める直前に最もよく観察していたのは彼のブログだった。ときに彼はサイクリングに出かけたのを記事にまとめていた。自由にゆったりと暮らす理想的な生活を手に入れているように見えた。ブログもあらゆるメディアもそうだが、公開するものは自身で選別できるので、どこまで本当なのかはわからなかったが、数年単位でブログの更新を続けなが生活できているところを見ると、その点においてはある程度の信憑性があるように思えた。

その後、彼に後押しされるように私は会社を辞めた。貯金もまとまってあり、生活がすぐに困窮することはないがただ数字が減っていくのを眺めていくのは嫌だったので、無理せずできることをしていた。

ゲーム配信はそのうちの一つで、私の家計を大きく支えてくれた。ゲーム配信をしながらブログを書くこともたまにあったが、それを収入の柱にすべくして更新したことはなかった。はるか昔の大学生の頃に月間十万円くらいの収益になるブログのようなウェブサイト(当時はWordPressがそれほどメジャーでなくまじめにHTMLやCSSをいじっていた)を作っていたときには、SEOやらアクセス数やらを重視していたが、退職後のブログはどうやっても趣味の領域を出ず、微々たる収益を生み続ける存在となっている。はたして、仕事のようなものとして文章を書き続けることで食っていけたかはわからないが、ゲーム配信などの収入もあって当時の想定よりもだいぶ希薄にブログとは関わりつつある。

今日は久しぶりに彼のブログを読んでみた。ほぼ変わらないタイトルとURLで、そのブログはまだ存在していた。

トップページをざっと眺めると、主に今はまとめ記事を書いているようだった。ジャンルは様々で、彼の興味があるとも思われる分野で書かれていたが、どれもこれを書きたくて書いているのがわかるような熱量が感じられるものがなかった。更新頻度も落ちていた。いわゆる仕事として書かされているものなのかもしれない。

その昔の記事は、書いている対象への興味や感情が見て取れたが、それがなくなっていた。もしかしたらブログはもうビジネスの場所となり、それ以外の金にならない戯言は別のメディアに移したのか、それともTwitterのような垂れ流しメディアで雑に流しているのかもしれないが、なんだか少し寂しい気持ちになった。

もともと好きでやっていたことが社会的にそれなりに評価され収入になるのはいいことだ。ただ、収入が増えるのと正比例して好きだったものより、できることに割く時間を増やしてしまうのは本人にとって幸せなことなのかなと思ったりした。もちろん、もとから興味のあった書くことに関わる仕事をしているわけなので満足しているのかもしれないが、そこに憧れのブロガーの姿はもうなかった。

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