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日記

1年半たってわかった無職のメリット。政治と制度への関心

先日こんなニュースを見つけた。

浜松市、総事業費5億円に ペイペイ還元

要は、浜松市が5億円を出してPayPayのポイント還元を行い、消費を促進させようという事業だ。PayPayも慈善事業ではなく、人が動いているキャンペーンなのでそのうちのいくらかはサービス料としてPayPay側に流れることになるのだろう。更にPayPay使用時の手数料もしっかり入るので、PayPay側としては申し分のない案件に違いない。

最初に見たときには、流行りに乗ってPayPayで消費促進など馬鹿らしいし、普段使わないアプリケーションを入れるのは面倒で、しょうもない金の使い方だと思った。

ただ、こういったニュースを見ても以前のようにいらっとすることがなくなったことに気がついた。もとより政治に無関心だということもあるのだが、なによりも自分自身がたいした税金を払っていないので、どんなお金の使われ方をしようとも、他人事でいられる感覚がある。会社員として働いていていると、収入にもよるが、全て合わせれば少なくとも年間で100万円以上は、税金として収めていることになると思う。仮に国政や市政にとってはないにも等しい100万円であっても、自分にとっては大きな金額で、税金で不正が行われたりするとあまりいい気持ちはしなかった。しかし税金の支払いが減ると、政治の失敗や不正によって生じる怒りからは距離を置くことができる。

そのせいか、最近は以前にも増して政治に関心がなくなった。政治に対しての関心が低くなることは一般的には良くないとされているが、そうばかりだともいいきれない。ひとりの人間が考えられることには相応のキャパシティがあり、自分にとって関連性や重要性の低いことがらを頭から排除できるのは価値があることだと思う。

ここのところTwitterやヤフーニュースのコメント欄などで、雄弁に自分の意見を語っている人たちを見て、なんて活力に溢れた人たちなんだろう、その行動力の源泉はどこにあるんだろうかなんて考えるようになった。それは、私自身の政治や、私の外部で起きているあらゆることへの興味関心が薄れていることで生じたギャップによって生まれた疑問なのかもしれない。まあ彼らは彼らで、納税者ゆえの監視者としての義務を果たす必要があると考えて行動しているよりかは、注目を集めたいとかストレス解消のひとつとして書き込んでいるというのが本当のところだとは思う。それでも、自分が影響を受けもせず、与えることもできないものごとに対して熱量を持ち続けることは、私には到底真似できないことだ。

政治に対して意見を出し続けて、選挙で投票することで政治に参加していれば、世界が自分の願った方向に動くというのはあまり現実的ではないように私は思う。特に私の生き方は、世間から見れば完全に少数派で無職の同士が集まったところで、なんら大局に影響を及ぼすことはないだろう。

最近は、政治や余計なことを考えないことによってできたキャパシティで、もっと自分自信に関連が強いことに関心を持つようになった。自分自身の健康管理であったり、食事であったり、幸福度を高めるために何ができるかであったりといった内側の関心と、自分の生活を良くするためになにか具体的に活用できる社会制度を探して、実行する外側の関心だ。

内側に関してはわかりやすい。生活の質を上げるために何ができるか考えて実行する。働いていたときから関心を持ち続けている。

後者の外側に関しては、無職になってから強く意識するようになった。働いているときには、仕事が忙しく自由な時間も限られているので、自分に役立つ税制度や社会制度に目を向ける余裕がなかった。余裕がなかっただけでなく、実際に会社員が公的サービスから受けられるメリットは時間的にも制度的にも少ないのではないかと思うが、関心もなければ積極的に探すこともしなかった。

いざ無職になってみると、様々な面で弱者を支える制度があることがわかった。例えば、失業保険であったり、無料で受けられる職業訓練であったり、年金の免除(将来受け取る金額は減るが)であったりと、非常に手厚く用意されている。

それだけではなく収入が少ない人にも役立つ税制度もある。例えば青色申告制度だ。青色申告をすることによって、例え収入が少なくとも大幅に税金の支払いを減らすことができる。YouTubeの広告収入や、ウェブ配信収入、このブログの広告収入などを受け取っているが、支払う税金を制度の活用で小さくすることができた。そのほか、図書館や公園などの公共サービスも無職で時間があれば存分に活用することができる。近くの図書館は雑誌も非常に充実していて、読書にも暇つぶしにももってこいだ。

政治のこれからを考えて変えていくことは非常に難しそうに思えるが、その政治によって作られた制度の活用はそれほど難しくなく、より直接的に自分の生活に影響を与えるものではないかと思う。無職になって税金の支払いが減り政治に対してのストレスはぐっと減った。こんな形でのメリットがあると当初は思わなかった。

それでもまだ無職となり1年と半分。これからまたなにか気がつくことはあるのだろう。

 

最後に余談ではあるが、このPayPayを活用としたバラマキを政策は世代間格差を埋めるのには、案外悪くはないと見ることもできる。多くの高齢者はPayPayを使えないと思われるので、実質的には非高齢者のみにとってメリットのある制度になりそうだ。おおっぴらに若者支援!なんていうと老人から怒られそうではあるが、意図してか意図せずしてかわからないが、暗に現役労働世代を補助する制度としては機能するのではないだろうか。

以上、久々のブログも悪くない。

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