Zico39のいろいろ

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日記

顔をインターネット上に公開するリスクについて。

今から15年くらい前のインターネットは現在のような個人アカウントを登録するようなSNSがほとんどなく、2chのような匿名性の高い掲示板が人気だった。よほどの有名人や芸能人でない限り、インターネット上に本名や顔を公開していなかったと思う。公開することによるメリットもそれほどない上に、危険な雰囲気のする場所に個人情報を拡散させることは百害あって一利なしの状況だった。一部個人情報を載せたサイト(今はなき前略プロフィールなど)も存在していたが、完全にアングラなサイトで人によってはただの黒歴史になっていることだろう。

それから少したってmixiをはじめとする登録制のSNSが流行り始めた。mixiでは友人以外には自分のプロフィールを見られないようすることができ、多少のプライバシーの配慮がされていた。そういった配慮もあってか現実世界の自分とつながる情報、例えば顔写真であったり名前であったりを、偽りなく登録する人が増えた。自身のプロフィールをインターネット上に公開することに対するハードルはこの登録と友人の認証によってぐんと低くなったように感じる。

それでもmixiの外のワールドワイドウェブの世界では、まだまだ顔や本名を公開しているのはまれだった。ちょうど今から10年くらい前がニコニコ動画の人気がピークに達していたころであったと思うが、動画であっても生配信であっても顔を堂々と公開している人はほぼいなかった。余談ではあるが、そういった秘匿性が投稿者や配信者のミステリアスな部分を際立たせて、魅力的に見せる効果はあったと思う。

当時顔を出していたのはいわゆる無敵の人と言われるカテゴリーに属するタイプばかりだったように記憶している。無職やフリーターを中心とした誰かに顔や名前を公開しても困らない人たちが顔出しをしていた。人を集めるために迷惑行為をしている配信者も多く、顔出し配信者イコール社会的に問題を抱えている人間というような認識を少なくとも私は持っていた。

それから更に5年くらいたつと(今から5年前くらい)、成功した動画投稿者や配信者には企業からの仕事やイベントの依頼が舞い込むようになってくる。もちろん、それ以前も企業案件は存在していたが、このあたりからぐっと伸びたように感じる。今まで顔を出していない人であってもイベント参加の都合上、顔を公開せざるを得なくなり、動画投稿者や配信者の顔出しも増えた。それに釣られるように、その他大勢の人たちも顔を出すようになってきたのではないだろうか。

そして最近はもう顔を出すことに抵抗を持っている人たちはだいぶ減っているように感じる。では、顔出しのリスクはないのか。ようやく本題はここから。

 

結論から言うと顔出しのリスクはほとんどない。ただ、問題なく顔を出すためにはいくつかの条件がある。

  • 社会的に問題のある行為をしないこと
  • 自分の公開できる情報をコントロールできること
  • 女性でないこと

1番目については、簡単に理解できると思う。問題のある行為をするとデータとして永遠に残ることになる。問題のある行為はその後の人間関係や、就職活動などにも影響を与えうる。法律に引っかかる行為はもってのほかではあるが、その他の迷惑行為も避けなければならない。普通のことをしていればまず該当しないだろうが、大前提として必要だろう。

2番目はなんでも公開しすぎてはいけないということだ。例えば詳細な住所や所属している組織、部署などを公開すると悪意を持った人(通称アンチと呼ばれる人)からの攻撃を受ける可能性がある。その他、仕事がらみの機密情報や他人のプライバシーに関わることも口に出すべきではない。そのあたりの自分と自分に関わる組織や人間の情報を公開しすぎないこと、問題となるラインがどこにあるのかを一般常識的に理解できている必要がある。

3番目は昨今の差別やらなんやらの観点から批判も受けそうではあるが、事実だ。女性が顔を出すというだけで、実生活に支障をきたしうるリスクは上がる。一部の夢見る男性はインターネットに露出している女性がもしかしかたら自分のものにできるのではないかと思っている。執拗なDMが送られてきたり個人情報を特定しようとする人が現れたりという話を聞くことがある。女性が顔を出すだけで動画や配信の見栄えは大きくが上がるが、面倒な問題の対処に直面するリスクも同様に上がる。ここで言わんとしているのは女性の方がストーカー的な被害にあいやすいということであって、顔を出すべきではないと言っているわけではない、念の為。そのあたりを上手くコントロールできれば、女性の強みを活かしてコミュニティの拡大を図れるだろう。

 

基本的には、このあたりを考慮していれば問題はないが、それでも会社や学校の人、家族に知られたらどうしようと思う人もいるかも知れない。基本的には、悪事を働いていなければなんら問題はないが、それでも自分の趣味を知られたくないという場合はどうか。

そのケースでも心配する必要はない。広大なインターネットの世界で自分と面識のある人間が自分を発見できる可能性は極めて低い。狭い趣味に特化している分野であれば別かもしれないが、ゲームや日常的なコンテンツが身近な人の目に触れることはまずないと考えていい。なぜならば、私を含めてほとんどの動画配信者や投稿者は、ひと目に触れるにはあまりにも小さすぎるからだ。

例えば私のケースだが、配信で常時数百人、YouTubeで数千再生良くて一万再生を超えるくらいの影響力だと3年ほど顔を出して配信を続けても身近な人間に知られたことがない。知っていても伝えてこないのであれば実際自分に影響がないので、もし誰か気がついたとしても実質ゼロであることに変わりはない。この規模はいわゆる身バレいつながるには箸にも棒にもかからないレベルだ。そして大抵の人は私と同等かそれ以下なので、ほとんどの人にとって身バレは杞憂で考慮する必要がそもそもない。

えーでも、もっとコミュニティが大きくなったらバレしたらどうしよう~?と思うかもしれないがそれも問題ない。おそらく、私の例の数字の十倍位になれば、より露出も増えて身バレの可能性はずいぶんと高くなる。ただもうそのときには、コミュニティが既にブランドとして機能して、恥ずかしがることではなくむしろ誇れるものに変わっているはずだ。一般社会的に貶されるコンテンツ、例えば性的なものであったり犯罪行為に近いものであったりしない限り、その成果物に胸を張っていられることだろう。

会社の副業規約に引っかかる可能性は無きにしもあらずだが、その頃にはもう会社員としての給料を動画や配信で得られる収入が大きく超えることになるので、辞めてもなんとかなる。会社員としてのほうが当然安定するわけではあるが、スキルがあれば再就職も可能なうえに、そこまで伸びたコミュニティに専念できれば、更に収入は増えうる。まあ、ここまでの領域に到達する人はほとんどいないので、実は無視できる事例なんだけど心配性の人のために一応ね。

似たような事例で、知らない人から街で声をかけられたらどうしよう~なんて不安に思うかもしれないが、これも心配ない。たいていの場合コミュニティが小さすぎるので誰かに話しかけられることはほぼない。東京に住んでいるとこの可能性はぐっと上がるが、気にならないレベルだ。私は地元のターミナル駅で一度、東京で一度話しかけられたことがあったが、その程度だ。

インターネット上に動画をあげたり配信をしたりしたいと考えていて、かつ、顔を出してみたいと考えている人たちはまずやってみればいいと思う。上記の最低限のリスク管理ができれば問題が起こる可能性はほぼゼロに近づけられる。

 

ここまでリスクについてだったので、もう少し明るい面、リターンについて最後に少しだけ。

私は昔から顔を出している配信や動画のほうが好きだったので、そればかり好んで見ている。当然のように顔出ししている海外勢の配信や動画をいることが多かったので、その影響があると思う。自分がよく見る配信はほとんど顔出しばかりで、そのほうが面白いと感じる。私と似た感覚を持っている人も決して少なくないはずなので、そういった層を取り込める可能性がある。

あとは顔を出しているので表情から感情が伝わりやすく、より人となりを視聴者に伝えやすいというのもあるかもしれない。

考えてみるとそんなにメリットってそんなにあるものでもないかな(男性の場合)と思う。

以上、顔出しのリスクについて。

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