Zico39のいろいろ

Just another life

日記

彼女が寝取られていた話、ブラジル出張の終わりに。

タイトルのとおりではあるが、数年前会社員だった頃、ブラジルに出張に行っている間に彼女を寝取られていた。私は仕事の都合でブラジルにだいたい2ヶ月くらい滞在していたのだが、帰国後に彼女の浮気が発覚した。発覚したと言うよりか、発見したと言う方が正しいかもしれない。

ブラジル紀行は別投稿にまとめているので、よければこちらから。

ブラジルには1月から3月の間に行っていた。日本は真冬、ブラジルは真逆の真夏だった。日差しは強く、日本のようにジメジメしているわけではないものの、ジリジリとした暑さと、仕事のストレスと、忙しさと、プレッシャーと、だるさと、俺本当にこんなことがしたくて生きているのか悩む気持ちと、夜寝る前になると帰国までの日数を数えて睡眠時間が十分に取れなくなるのと、食事自体は美味しいのにもかかわらず時間がなくて食べれなかったりするので、体重は10kgも減って体力的にも精神的にもほぼ限界だった。

長いブラジル出張を終えて帰国した日には、名古屋駅で彼女と昼ごはんを食べた。名古屋駅の駅ビル15階くらいにある和食屋さんに行った。彼女に会った嬉しさよりも日本に帰ってきたこと、そしてご飯が美味しいことの喜びを噛み締めたことを覚えている。彼女もその日は仕事の合間を縫って来たのでご飯だけ食べて別れた。

ブラジルに長期で滞在していてその一年の冬を味わえなかったということで、その翌日から、国内最北端、最も冬に近い場所である北海道に旅行に行った。会社は一週間ほど有給をとって休んだ。もちろん一人旅だ。おいしい食事と美しい景色に癒やされてだいぶ精神も落ち着きを取り戻すことができた。

そして、その数週間後に彼女と会った。どこかに出かけたか、何をしたのかは覚えていないが、その日の夜に彼女の家に遊びに行った。健全な男女が個室に二人きりになればすることは決まっていて、その日も行為に及ぶことになった。だいたい普段どおりのルーチンに沿ったものだったように記憶しているが、ひとつだけいつもと違うことがあった。あったように感じたので、ふと言葉に出してしまった。

「前よりうまくなってない?」

さらっと言っただけだったのだが、彼女の目は大きく開かれ、その後すぐにそらされた。明らかに動揺しているのが見て取れた。まあ悪いことじゃないし、別にいいかとか思っていたわけではあるが、最中にあることの可能性に気がついた。

これ、もしかしたら他の相手と練習していたのかもしれないと。

性癖のジャンルでは特殊ではありながら、かつメジャーで、商業的にも成功している「寝取られ」という分野に関してはそれほど明るくはなかったが、その可能性が頭をよぎったときには不安と興奮が入り交じる感覚があった。その気付きはできるだけ表情に出さないように努めたまま行為を終えた。ただの予感だったので、そこでは余計なことは聞かなかった。

本当は家に帰りたかったのだが、彼女のアパートから私の住んでいるところまで電車で一時間位かかり、終電もなくなっていたので泊まっていくことにした。自分の布団以外ではぐっすり眠れない神経質なタイプで、泊まっていくと翌日も眠くて一日が潰れてしまうので避けたかったのではあるがやむなく残ることにした。

私とは正反対で、彼女はどこでも寝られるタイプで、電気を消してごろっとなるとすぐにすやすやと寝息が聞こえてきた。私は眠れないので携帯をいじりながらゴロゴロしていたが、全く眠れる気配がなかった。

そこでふと思った。そうだ、証拠を探してみようと。もし浮気をしているならその痕跡は携帯電話に残っているだろうと思い、彼女のiPhoneに手を伸ばした。ロックはかかっておらず、すんなりと開くことができた。どうせラインあたりにそれらしいものがあるだろうと思って、いくつかのトークを見てみるとすぐにこれだというものが見つかった。どこで会うとか次はいつうちに来るだとか、もっと生々しいやつだとか。頻繁に連絡を取り合っているようで、一度には全て読みきれないくらいだった。

それがわかった瞬間は特にショックを受けることはなかった、と記憶している。どちらかというと、すごいものを発見した探偵のような気分だった。付き合って3年弱、こんなことになっているとは予想もしていなかったが、これで終わりかなとぼんやり考えていた。

ただその前に、この二人のやり取りが気になった。全部読みたいと思った。それを証拠に問いただしたいとかは全く思わず、好奇心でなんとかそのデータを送る方法はないかと思い、ラインをごちょごちょしていたらテキスト形式にして転送する機能があることがわかった。自分のメールアドレスにさっと送って送信履歴を消した。ひとまず仕事を終えたので、その後すぐに眠れた。

帰りの電車で二人の取り留めのないやりとから、親密なやりとりまで一通り読んだ。なんというか、興味心で読み始めていつの間にか読み終わることが目標となりそのまま時間だけ過ぎたような感じだった。それについて何を思ったのかはよくおぼえていない。きっと特に何も思わなかったのだろうし、NTR系の性癖が身につくこともなかった。ただ、そんなに悪いものでもないかなと思ったくらいだ。

その後は、特にその話をすることもなく、会う頻度も徐々に下がりいつの間にか的に別れた。そのことについて話す熱量は自分にはなかった。終わりはあっさりとしたものだった。

これだけは覚えておいてほしい。

ラインは転送できる。

同じような境遇になった人は送ってみよう。それがもしかしたらあなたの新たな扉を開き、人生をより豊かなものにしてくれるかもしれないから。まあ、ロックかかってないスマホとか今なさそうだけどね。

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